SNSと政治の話(タイッツーの件を受けて)

タイッツーが政治に関しての利用規約の公開というか、詳細説明のページを公開したことでいろんな意見が飛び交っている気配を感じています。
個人的には「タイッツーサイドの気持ちもわかる」し、「個人運営SNSにそこまで求めすぎてはいけないし、住み分けの話」かなと思います。そしてこれは同時に、日本社会における「政治の話をすることは面倒」という空気も勿論要因にあると思います。

Twitterにいる人が、タイッツーのこの規約に対して「政治の話をNGにするSNSはどうなんだ」と思う気持ちもわかります。
だけど、タイッツーは個人運営のSNSであることから、管理コストを減らしたいというところと、タイッツーの空気感もあって火種になりそうなことは避けたい、というところで制限を設けるのは現実的に仕方ないかなと。
また、タイッツーには「PTL」というフォローしなくても見られる公共のタイムラインみたいなものがあるので、「場の空気」というものが存在する。そこからも、軽く投げたことがその場の空気を大きく変えてしまうリスクもある。
このあたり、タイッツーと各種Fediverseに共通して言えることだと思います。
ただまあ、タイッツーに関しては個人的には鯖缶さん(サーバーの管理人さん)が以前TwitterでのTwitterに対するデモについてつぶやいたとき(そのデモを軽視するように感じられた発言)に私はちょっと感覚が合わないなと思ったので、そこからはタイッツーとは少し距離をとっています。今後もその方向はあまり変わらないかと…。でもタイッツーの空気感はけっこう好きです。

私はこの半年ちょっと主にFediverseにいますが、私が渡り歩いてきたサーバーはみんな個人運営なので、本当に趣味の範囲でこの管理コストをかけるのは大変だ…と頭が上がらない思いです。
そんな中で「楽しい場をつくりたい」「みんなが居やすい場をつくりたい」というのが鯖缶さんの共通の思いだと思います。
私がいるFediverseはオタク向け汎用サーバーが多いのですが、そこも強い政治志向の話はNGとしているところが多いです。それについては、上記のタイッツーと同じ理由で納得した上で使っています。

ただ、政治の話NGかあ…と思うときはあります。例えば、インボイス反対とか、署名活動があるよ参加したよとか、同性婚の話とか、トランス差別反対とか、そういう話も「ここじゃしないほうがいいよな」って踏みとどまって結局発信しなかったり。規約としてある以上、はみ出して鯖缶さんにご迷惑をかけるのは本意ではないので。
そういう話をしたいときは政治の話OKのサーバーに行けばいいって話で、実際そうしたりしてきたんですが、でも同じアカウントから話したいときもあるし、同じアカウントから話すからこそ届いたり意味を持つこともあるよな、とも思っていて。
そういうときに、Twitterがやっぱり一番やりやすいプラットフォームだしそれはTwitterという場所の優れている点だと思うんですね。
まあ今のTwitterという(今はXですが)SNS自体をもはや信用していないので…なんとも…なんですが…そもそも論…

ただ、私がTwitterでもそれをあまりやってこなかったのは、R18も扱う二次創作同人アカウントという一般人から見たら特殊性のあるアカウントであること、そしてなによりもTwitterにはいろんな人がいすぎて、検索性も高く、政治の話をしたときにどこかから攻撃されることが怖かったからです。私の知識が足りないゆえの攻撃や、あるいは言いがかりとかもつけられるかもしれない。リプライを閉じても鍵を開けている限り引用RTとかは防げない。Twitterはあまりにも炎上しやすい。そうしたときに私自身の心の弱さもあるし、界隈に迷惑をかけたくないというところもあってなかなか発信ができませんでした。

今のところそういう意味でもTwitterに似た運用ができるのはFedibirdかなと思っており、アカウントも持っているんですが、他にも色んなところにアカウントがありすぎて運用どうしようか…ってなってるうちにネタメモ帳と化している…ここもそのうち整えたい気持ちもありますが…でも何か話すときはサイトで事足りる気持ちもあります。まあここだとSNSのような拡散性はまったくないんだけど(拡散性が欲しいわけではないからまあいいんだろうけど)

で、結局この件で思うことは3点あって、
①みんなTwitterの「完全な代替」を求めすぎているのではないか?
②Twitterにしかできないことがある現状、Twitterくんはしっかりして
③もっと政治の話をしやすい社会に
ってところです。

①は気持ちはわかるんですけど、現状「Twitterの代替」になるものは存在しないと思います。分散型SNSも注目されていますし実際私は住み心地が良いと思っていますが、前述のように「Twitterにはなれない」。だから、Twitterからの新天地を探すならば、それぞれの場所の強みと弱み、その理由を理解した上で住み分けていくしかないんだろうと思います。でもわたしは元々住み分けのオタクだけど、住み分けないタイプの方にはやりづらいかなあ。
サイト+Fediverseの複合技は個人的にかなりおすすめなんですけど、なかなかハードル高いのもわかるよ…

②はほんと切実なんですけど、たとえばいま話題になっているインボイス反対署名とかはFediverseではこんなにできなかったと思うんですよね。Twitterでしかできないことも絶対にある。少なくとも今はそうだし、これからも分散型ではなく中央集権型、企業運営の強みというのは絶対あると思います。でも本当にTwitterが日々最低値を更新し続けるような改悪で希望が見えない…………………………Twitterはもっと実質的な社会インフラである自覚を持ってほしい。今の体制では無理な気がしてる。かなしい。

③は社会的な問題ですね。私自身も昔そうだったんですけど、政治の話って難しくてめんどくさい、したくない、楽しいことだけ聞きたい、私が何かしなくても現状維持してくれればいいでしょって気持ちはすごくわかります。でも、そういう空気が蔓延して「政治に無関心な社会になる」ほうがすごく怖いことで。
マジで今の政治に絶望することばかりなんですけど、国民ナメられてんな…っておもうんですけど、そうやってナメてても成立する社会にしてしまったのは無関心でいてしまったせいだなと感じています。社会をもっと良く変えてえよ………マシな社会にしてえよ……そんな悲しい気持ちで足掻くのはしんどいけど、諦めてしまったら悪くなるしかない。
政治って私達の生活に直結する話なので。放っておいたら税金も上がるし(インボイス実質増税だし)、物価は高騰するのに仕事も生活も楽にならないし、同性婚はいまだに日本で法制化しないし、戦争だって起きてしまう。
あれは嫌だとか、これはどうなのとか、そういう政治の話を日常の中で気軽にできる世の中になってほしいですね。私自身、間違いや炎上を恐れてあんまり喋れていないから、私が何か言える立場ではないかもしれないけど…でもそういう空気が少しずつでも変わってほしい。
「政治の話がしづらい」のは、それで空気が悪くなったりヒートアップして大変なことになったり、そうしてきてしまった前例がSNSには数多にあるからだと思います。
「政治の話は炎上しかねない怖いもの」じゃなくなって、どこでも話せる空気になっていったらいいなって思います。

そんなふうに思った今日この頃でした。

タイトルとURLをコピーしました