絶対早割で入稿するマンの原稿スケジュール

当方の2023年に発行した同人誌は7冊、入稿した同人誌は9冊(1/7インテ合わせの2冊込み)。そしてwebプチの主催を1件。
「そもそも早割がない」印刷所さんやセットを利用した2冊を除いた7冊は全て早割で入稿しました。やったね!
じゃあこの間どういうスケジュールで動いていたのかということで2023年の原稿スケジュールと、どうやって原稿を上げていったのかという話をしてみようと思います。
これが早割マンの生態(一例)だ!

【前提】
・2023年に出した本はすべて小説
・仕事は在宅メイン(時期によって週2~3日出社している時もある。2023年後半は出社の日もそこそこあった)
・残業は多くても5~10時間以内
・独身(家族の世話などがない)
…なのでわりと余暇を同人にかなりつっこめる環境ではあります。

 

2023年の原稿スケジュール

2023年原稿スケジュール
ざっくりこんな感じです。どん。
2023年の~と言いましたがその前後にかかっているので2023年に「入稿した」本の原稿スケジュールおよびその間に並行して準備していたwebプチ(webオンリー内のプチオンリー)の準備スケジュールです。
※all year round 2はweb再録メイン、day by dayはweb再録が半分くらいある本
※day by dayの原稿が飛び地になっているのは、7月~8月にザファを観てスラダンにハマり途中でスラダン原稿が挟まったから…
基本的には、
イベントの1か月前くらいに脱稿もしくは少なくとも初稿を終えるスケジュールが目標
推敲に2~3週間は取りたい(推敲は2~4回程度。1回目の推敲後に間をおきたいため)

突発本や原稿スケジュールが詰まっている時はその限りではないですが、ここ数年は「締切数日前まで初稿が終わっていない」ようなことはまずないです。

1日の原稿スケジュール

平日の原稿スケジュール
1日でいうとこんな感じです。平日の在宅の日バージョンと出社の日バージョン。
休日はやる日とやらない日の差が激しい、休日は本文執筆よりも表紙製作などの別作業に時間を充てることが多いので記載していません。やる日は一日やってるし、やらない日は全然やらなかったりする…。とにかく、本文は平日朝の作業をメインにしています。
だいたい在宅の日は30分~2時間/日、出社の日は30分~1時間/日。朝起きられるかや他のやること(家事など)があるかどうかで変動。
「なぜ平日朝なのか」は次の項で詳しく話をします!

原稿を早割に間に合わせる極意

と銘打ったけど極意というほどのアレはない…

執筆環境編

平日(できれば朝)に原稿ルーティンをつくる

これ特に字書きの人は朝!!絶対朝がいい!!!!って思ってます個人的に。
平日朝に原稿ルーティンをつくった方がいいと思う理由は沢山あって、

(仕事にもよるとは思いますが…)平日はタイムスケジュールが基本的に同じなので、ルーティンを作りやすい
②「自分が朝起きる時間」次第で取れる時間が決まるので、他の都合で時間が変動しにくい(仕事後だと残業時間などで変わるので)
③そして朝ベッドから出る理由にもなる=何もない時より早起きできる
④朝の方が頭がすっきりしているので捗る(特に小説は眠いと書けない!!!!)
⑤休日分の原稿負荷が少ないので、休日に別の予定が入ってもリカバリーしやすい

朝原稿のメリットめちゃめちゃ大きいなと思うので超おススメです。あとは自分がベッドから出られるかの自制心次第
最近は平日夜はよっぽど時間があって元気な時や追い込みたい時くらいしか原稿してないです。「平日朝は原稿、夜の余暇は自分甘やかしタイム」と決めることでメリハリがつけられる。
以前同人占いを受けた時に「作業をモチベーションに頼るのは向いてない、ルーティン化するのがいい」と言われたのですが、確かにこれは私に合ってるやり方かもな~と思っています。

「すぐに書ける状態」の環境を作る

これは絵も小説も私はそうだったんですが、「やろうと思った時にすぐに書ける環境」を整えたのが私にとってデカかったなと思います。
小説はポメラDM250、絵はiPadで描いています。どちらも共通しているのは、「書こうと思ってすぐ書ける」デバイスであるということ。(iPadはアプリ版Nolaで小説のプロット管理にも使っています)
書くまでのハードルを圧倒的に下げるし、書きたいと思った瞬間に書けるからモチベーションが上がった瞬間執筆に直結できる。また、単純に作業開始までの時間のロスが少ない。10分でも隙間時間があれば作業できる。これは忙しい平日朝に時間をこじ開けて作業するというところでもかなり効果的だと思います。
基本的にものぐさで効率厨な私には「すぐ書ける環境を整える」というのは本当に効果があった。私はポメラとiPadがなければここまでの量の創作はまずできなかったと思います。

「書く」スイッチ作りと作業時間管理

「今から書くぞ!」というスイッチ作りは私は現在基本的に2つあります。

①もくりの自分専用ルームスペース(以前はみんなのフリースペース)に入室&作業BGMとポモドーロタイマーをかける
②マストドンの壁打ちアカウントで「今から書くぞ~」と宣言する(そして作業終了時、作業時間と文字数も書き込む)

もくりは最近ルームスペースでも作業BGMをかけられるようになったので、最近はもっぱら自分専用ルームスペースにこもって作業しています。
・ポモドーロタイマーをかける=「始めたんだからこの時間くらいは作業しよう」と思うことができる(25分集中/5分休憩のサイクル)
・決まった作業BGMをかけることで、「書く」スイッチを入れる
・(誰も見ていないかもしれないけど)インターネット上で書くと宣言したからには書かねばならないという意識が生まれる
・さらに作業進捗も報告・可視化することでサボり防止&進捗が見えて達成感もある、自分のペースも分かってくる
また、カフェなどで書くこともあります(ポメラに覗き見防止フィルムを貼っています)。これも「来たからにはやらねば」という自分に対する追い込みですね。

隙間時間を活用する

本文執筆についても10分机に向かう時間があれば書くようにしてますが、「机に向かえない/向かうほどではない隙間時間」は別の作業をします。鍋が煮えるのを待つ時間とか、お風呂が沸くのを待つ時間とか。
装丁や締切の確認、表紙に使う素材探し、タイトルを考える、(紙やiPadを持てるなら)推敲作業など。
また前述の通りカフェで書くこともありますが、これについても「予定の前に少し早めに出て、時間までカフェで作業する」というように、予定の前の時間を原稿に活用したりしています(後述のように、ライブや舞台などに行くことも多いのでその前に腹ごしらえがてら原稿!ということが多いです)

スケジュール管理編

「最速早割締切」を通常締切と思え

スタブさんのように超超早割の締切があるところだとまた若干違いますが、基本的に私は印刷所さんの締切を見る時「最速の早割」の締切を真っ先に見ます。
そして「最速の早割で入稿する前提」で動きます。ちなみにスタブさんだと「早割30」(通常締切の1か月前)を基準に考えることが多いです。
スケジュールアプリには「最速の早割の締切」「その次の早割の締切」念のためデッドラインとしての「通常締切」もメモしておきますが、基本的に「最速の早割」を私にとっての通常締切と思って動いています。そうしたらもし間に合わないとか、もうちょっと推敲したい…って時も全然つぶしが効くので(基本的にはそれに間に合っていますが。お守りみたいなもんです…)
割増締切は…不安な時は一応確認だけするけど…それはほんとの最終手段として…割増は今までに使ったことがないです!
※かなり心配性で、「間に合わないかも…」って不安になったらその時点で本自体延期するタイプなので「一応最終的に出せる締切」も安心材料として見ておきたい

スケジュールで無茶しない

前述の通り、だいたい「イベント1か月前」を脱稿~遅くとも初稿締切の目安として考えてます。できればそのくらいに入稿するのが一番理想。
推敲まで基本全部一人でやるので、「このシーンはちゃんと意味が通じるか」「テンポが悪くないか」「脳内で満足して描写が不足していないか」など少し時間をおいて冷静になって推敲したいので推敲期間は長めにとりたい。
「1日○文字」とかの細かいスケジュールは立てないタイプですが、ざっくり「○文字くらいになる予定だから執筆期間はこのくらいは必要だな」というところから逆算してそのくらいに着地できるように考えます。だいたい3~5万字くらいだとイベント当日の2か月前には始めたい。1万字前後くらいの短めの本であれば最低2週間くらいを入稿までの必要期間とみている感じです(勿論、実際のスケジュールはそれに+α余裕をみています)。
小説は焦ると書けない、焦って書いていい出来になる気がしないというのと、原稿を理由に別のスケジュールをできるだけ諦めたりなどしないように(先延ばしできるものは勿論脱稿してから~って思って後回しにすることが多いですが…)
私の場合アイドルのオタクもやっているので、「原稿期間中にライブや舞台が入る」ということが間々あります。それでも原稿も現場も犠牲にせずやりきるには余裕のあるスケジュールが必須。同人イベントの申込よりアイドルのチケット当落の方が後なんじゃい!!!!!!!
2023年12月は、「3万字程度とみていた話が5万字に膨らみ原稿スケジュールが押した」+「その時点で締切までの毎週末現場(含:宿泊込みの遠征)」という状況に陥りましたがそれでも2冊とも最速早割で入稿し現場も全部行きましたわよ!!!!余裕をもったスケジュール大事!!!!!!
そしてなにより、無茶するとね、続かないですからね!自分が楽しめる状態で続けることが一番続きやすいんじゃないかなと思います。

原稿の為に睡眠時間は削らない

「スケジュールで無理しない」「朝原稿ルーティンをつくる」という部分にも共通してるんですが、原稿の為に睡眠時間は削らない!!がモットーです。
睡眠時間を削るとねぇ…原稿も仕事も単純に効率が落ちる…昼間眠くなるし…
先に挙げた1日のスケジュールを見て頂いても分かると思うんですが最近の私、平日寝るのバカ早い。21時前後。小学生?
ポケモンスリープをやっていて気付いたんですが、私は7~8時間が適正睡眠時間のようなのでできるだけそれを確保するようにしています。どっちにしたって、睡眠時間を削った分は後日きっちりその分寝ちゃうんですよ私は…。
睡眠大事!健康な原稿サイクルは健康な肉体から!!!

原稿期間中に遊ぶときは時間を決める

朝原稿のルーティンの話と少しつながるんですが、まだ脱稿してないけどどうしても遊びたいゲームとかがあったら時間を決める。今回のポケモンSVDLCの時がそうでした。(本当は配信までに脱稿したかったけど間に合わなかった…)
「朝は原稿をやる」「夜はゲームをやってよし」、「今日だけは朝もゲームする(その代わりに明日からはちゃんと原稿に戻る)」、「1時間ゲームやったら原稿に戻る」など。平日朝原稿ルーティンもできるだけ守るけど、ガッチガチに毎日絶対守るのではなくたまにこういうチートデイも作るくらいが息もつけていいんじゃないかな~と思います。
でも私は一度ゲームし始めると平気で一日中やるタイプなので、脱稿してない時は時間を決める!そうしないとずっとゲームやっちゃう!そしてそれをちゃんと守るか、どうしても守れなかった時はそのリカバリーの計画を立てる。(明日いつもより早起きして頑張ろうとか)

精神面編

原稿期間中のインプットに注意する

これは創作形態及び私の性質というところが大きいんですけど、うっかり新しい沼にハマるとそのことで頭がいっぱいになってしまう危険性がある。
しかも書くのは小説で、かつ私は登場人物の心情面にかなり潜る感じで書くタイプなので、「書いてる期間中はずっとそれに少なからず意識を向けている、集中力を切らさない」状態でいないと書けない。そんなところに新たな沼にハマるのはリスクがデカイ。
なので、新しいものをインプットするのは原稿の谷間じゃないとなかなかできないのですが…だからザファを観るのも7月末になってしまったんですが(それまでずっと原稿してた)
ひとつ前で「別のスケジュールを諦めない」って言ったのと矛盾する部分ではあるんですよねこれ だから映画とか、漫画の無料公開とか、そういうの逃しまくり!ほんとはこれはあんまりよくない!でもそれも「自分の性質を理解して原稿計画を立てる」という自己管理で気を付けている一部ではあると思うので…。
ちなみに2022年11月のポケモンSV発売の時は、私は発売日から絶対思いっきり遊びたかったので逆にそれを見越して「発売日前に2月の新刊(1月入稿予定)の書き下ろし部分の執筆を全て終わらせる」という荒業をやりました。

…思いつく限り挙げてみましたがこんなところですかね?

まとめ

そもそも私がなぜ毎度早割で入稿しているかというと、「ギリギリになると精神的に追い詰められてキツい、書けなくなりそう」という超心配性な私の性質的な問題と「少部数かつ特殊紙はじめ特殊装丁好きなので、早割じゃないと単価に対して印刷費が嵩む(だいたいいつもMAX早割でも「完売してもギリギリ印刷費を回収できない」くらい)」というサークル活動をする上での物理的な問題という部分が大きいです。あとは「今回も早割できたぜぇ!!」という達成感というのもある。
だから私が精神的・金銭的に無理なく同人活動をするために早割が一番手段として合っているという話で、すべての同人オタクにこのやり方が良いなんてことは絶対まったくないのですが、多分「かなり余裕をもって原稿を上げる部類」の人間であると思うので、「早割で入れる人間はどういう生態なんだ?」という一例として面白いかな~と思って書いてみた次第です。

とにかく大事なのは「(できれば朝原稿で)毎日コツコツやる」「心身ともに無理しない」「自分を時々甘やかしつつも自制心はもつって感じです!ね!!

最終的に人間生活の真理みたいな話になってきた。いやでもね、持続可能な同人活動を目指すとそういう話になる。

何か少しでも面白がってもらえたり参考になるところがあれば嬉しいです~!
2024年もみなさま楽しい同人ライフを!

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