感想 2025/08/04 Mon 「〈寝た子〉なんているの? : 見えづらい部落差別と私の日常」という本を読みました!部落差別に関するエッセイです。追記から感想。続きを読むこの本に興味を持ったきっかけは、参院選の時にラジオに出演したある政党の方々が「すべての差別に反対です!」みたいに声高に掲げながらも、部落差別問題について問われると「それはもうほとんど解決したことだから…」と急に口ごもったことに疑問を抱きモヤモヤしたからです。私は部落差別問題について教科書的な知識しかなく、なぜその政党が急に部落差別に対してだけ口ごもったのか?ほとんどないとその人たちは言ったけど本当に?今、部落差別に遭ってきた人々はどんなふうに生きてどんなふうに感じてるのか?を恥ずかしながら全然知らなかったので知りたいと思い、ツイッター上でおすすめされていたのを見かけてまずはこの本を読んでみることにしました。読んでよかったなーと思いました。すごく。部落差別に関して部落ルーツの方の今、現代において当事者以外には不可視化されやすいからこその苦しみなどのひとつのリアルを知ることができてよかったし、「部落差別についての本を読もう!」と思って読み始めたのですが、次第に部落差別だけに限らない「マイノリティが感じる息苦しさ」や「(マイノリティ属性以外の部分で自分が持っている)マジョリティとしての特権」に目を向け始め、世の中の押し付けられるような「あたりまえ」を一人の人間として、親として、ひとつひとつ点検して抵抗していくさまも描かれていて、私は部落差別をこれまで身近に感じることなく生きてきた人間なのだけれど、急にぐっと「私の話だ」と思える瞬間が読んでいてたびたびありました。私もセクシャルマイノリティ(Aro/Ace)、発達障害グレーゾーン(ASD寄り未診断)というマイノリティ属性を持ってはいますが、それ以外の部分では圧倒的にマジョリティ属性のほうが多い。圧倒的に特権を持って生きている場面が多い。だからこそ、「マイノリティの生きづらさ」にも「マジョリティ特権をもっていること」にもとても共感した。部落の外で育った部落ルーツという「生きづらいマイノリティ」で生きてきたからこそ、他のマイノリティに気づいた時からできる限り寄り添おうとか再生産しないようにしたいとか考え始めるようになった筆者の川上さんを尊敬したし、私もかくありたい…と思った。そしてそんなふうに他の人の生きづらさに目を向けてくれる人がいることに、うっすら生きづらいなと思ってきたかつての私も読んでいてどこか救われる心地になりました。部落ルーツの方の現在について知りたいという方はもちろん、マイノリティ属性の生きづらさに覚えがある方や関心がある方、ものの考え方を改めて見直したいという方にもおすすめの本だなあと思いました。そしてやっぱり私は、部落差別は解消したので何もしなくていいとは絶対言えないと思うし政治家にそんなことを言ってほしくないと改めて思いました。差別に序列なんてないし、差別を受けた当事者の心の傷は誰にもなかったことになんてできない。私はやっぱり、当然部落差別も含めた「すべての差別に反対」と言ってほしいし私もそう言いたい。もちろん私も間違えることはこれからも山ほどあるとは思うけど、ひとつひとつ学んで間違えたところはしっかり考え直して、自分の知識や感覚をアップデートしていきながらやっていきたいなと思いました。畳む
この本に興味を持ったきっかけは、参院選の時にラジオに出演したある政党の方々が「すべての差別に反対です!」みたいに声高に掲げながらも、部落差別問題について問われると「それはもうほとんど解決したことだから…」と急に口ごもったことに疑問を抱きモヤモヤしたからです。私は部落差別問題について教科書的な知識しかなく、なぜその政党が急に部落差別に対してだけ口ごもったのか?ほとんどないとその人たちは言ったけど本当に?今、部落差別に遭ってきた人々はどんなふうに生きてどんなふうに感じてるのか?を恥ずかしながら全然知らなかったので知りたいと思い、ツイッター上でおすすめされていたのを見かけてまずはこの本を読んでみることにしました。
読んでよかったなーと思いました。すごく。部落差別に関して部落ルーツの方の今、現代において当事者以外には不可視化されやすいからこその苦しみなどのひとつのリアルを知ることができてよかったし、「部落差別についての本を読もう!」と思って読み始めたのですが、次第に部落差別だけに限らない「マイノリティが感じる息苦しさ」や「(マイノリティ属性以外の部分で自分が持っている)マジョリティとしての特権」に目を向け始め、世の中の押し付けられるような「あたりまえ」を一人の人間として、親として、ひとつひとつ点検して抵抗していくさまも描かれていて、私は部落差別をこれまで身近に感じることなく生きてきた人間なのだけれど、急にぐっと「私の話だ」と思える瞬間が読んでいてたびたびありました。
私もセクシャルマイノリティ(Aro/Ace)、発達障害グレーゾーン(ASD寄り未診断)というマイノリティ属性を持ってはいますが、それ以外の部分では圧倒的にマジョリティ属性のほうが多い。圧倒的に特権を持って生きている場面が多い。だからこそ、「マイノリティの生きづらさ」にも「マジョリティ特権をもっていること」にもとても共感した。
部落の外で育った部落ルーツという「生きづらいマイノリティ」で生きてきたからこそ、他のマイノリティに気づいた時からできる限り寄り添おうとか再生産しないようにしたいとか考え始めるようになった筆者の川上さんを尊敬したし、私もかくありたい…と思った。そしてそんなふうに他の人の生きづらさに目を向けてくれる人がいることに、うっすら生きづらいなと思ってきたかつての私も読んでいてどこか救われる心地になりました。
部落ルーツの方の現在について知りたいという方はもちろん、マイノリティ属性の生きづらさに覚えがある方や関心がある方、ものの考え方を改めて見直したいという方にもおすすめの本だなあと思いました。
そしてやっぱり私は、部落差別は解消したので何もしなくていいとは絶対言えないと思うし政治家にそんなことを言ってほしくないと改めて思いました。差別に序列なんてないし、差別を受けた当事者の心の傷は誰にもなかったことになんてできない。私はやっぱり、当然部落差別も含めた「すべての差別に反対」と言ってほしいし私もそう言いたい。もちろん私も間違えることはこれからも山ほどあるとは思うけど、ひとつひとつ学んで間違えたところはしっかり考え直して、自分の知識や感覚をアップデートしていきながらやっていきたいなと思いました。畳む