感想 2026/04/05 Sun 最近、この本よかったな~~!!!って思う本が多かったので最近読んだ好きな本の話をします!長いので畳みます~。そして感想は全部私の個人的な感想でしかない。 続きを読む ▼春のほとりで/君嶋彼方 この本というより君嶋さんの本全部良すぎた。久しぶりに「好きな作家さん」と呼べる人に出会えたなと思います。 1作に絞ろうと思って「だから夜は明るい」とめちゃくちゃ迷ったけど、読み終わってえ~~!!!ってなってもう1度最初から読み返したくらい刺さった「春のほとりで」を今回は挙げようと思います。 (「だから夜は明るい」は男性同士のカップルを中心としたストーリーで、こちらもすげ~~よかったのでご興味あればぜひ…ラストがめちゃくちゃ好きです。あと「一番の恋人」もAroAceを正面から取り扱ったおそらくまだかなり珍しい作品で、途中かなり抉られるけどめちゃくちゃよかったです) 「春のほとりで」はある高校を舞台にした連作短編集で、私は高校生だったころはもう遠い昔になってしまったし「青春」という括りがあまり好きではないので(青春モノの作品自体が嫌とかじゃないし楽しく読むけど、若い=青春=良いもの、みたいな雑な解像度が好きじゃないなとそんな言葉がお世辞にも似合わない日々を送っていた高校生のころから思っていた)、どうかな~と思いながら手に取ったんですがいや~~~~そんな私にも刺さる、いやそんな私だから刺さる作品でした。詳しくは言えないからご興味あればぜひ読んで頂いてって感じなんですが。でも、結構苦しいいじめ描写も出てくるので、それに苦しくなってしまう方は少し注意かもしれない。(学校~!なんとかしろ~~!!と思いながら読んだ) 君嶋さんの作品、「恋愛するのが当然」「恋愛=男女」みたいな固定観念を感じないところが居心地が良いなと思うんですが、男女の友情の話や男子生徒に思いを寄せる男子が出てくるのも良かったし、私は創作する人間なので「真白のまぼろし」も好きでしたね…。 短編の中ではううう…となるところもあったりしたけど最後にア~~!!ってなって、いや~~こういうの大好きなんですよ…だから2回読んでしまった。よかったです。 ▼青を抱く/一穂ミチ かなり久しぶりに商業BL小説を読んだ。商業BL、ノルマ的に濡れ場がある印象があり(最近商業BL漫画を読んでると必ずしもそうでもないところはある気がしますが、大多数として)、それまで楽しく読んでたけど濡れ場は別になくてもいいんだけどな~という気持ちになっちゃって特に小説は最近ちょっと足が遠のいてしまっていた…。濡れ場も好きは好きなんだけど、作品によっては「ストーリーとして読んでるから、今それを求めてるわけじゃない」という気持ちになっちゃうときがあるっていうか… いや~~でも、これも濡れ場はあったんだけど(そして「必ずしもなくてもいい」という気持ちはやはりあったけど)、そこで興が冷めるみたいなことはなく、それほど全体のストーリーがよかった。一穂さん、マジで小説が上手ぇ~~~~。BLじゃない一穂さんの作品もいくつか読んでるけど本当に小説が上手ぇ~~~~(「光のとこにいてね」とか「アフター・ユー」とか…) 一穂さん元々ジェンダー的な部分の意識というか、同性での恋愛についての差別とか今の日本における制度的な問題(同性婚が未だに認められていないこととか)の意識がある人だなあと一般商業の作品読んでても思ったけどBLジャンルでもそこから目を逸らさずに描いてくれることにちょっと驚いたしそういうところもこの作品が好きだなと思いました。 私はカップリングのヘキとして「恋愛より、相手より大切な譲れないものがある」という関係性が大好きで、逆に恋愛が世界のすべてみたいな描き方はちょっとnot for meかも~ってことも多いんですが(元々そうではない理性的な人がそれに溺れて身動きがとれなくなってしまうみたいなのは超好きだけど)、だからこそこの作品のふたりの関係が好きだなと思ったしこういう商業BLがあるんだってことが嬉しかったっていうか。どうしても大切なものがあって、それを大切にする相手ごと受け止める関係ってめちゃくちゃ良くて…。 BLという恋愛が主題のジャンルではあるけどもっと広く人間と人間の受容や救済の話っていうかぁ……(ろくろ) とにかくめっちゃよかった!のでまた商業BL小説もいろいろ読んでみようかな~って気持ちになりました。おすすめあれば教えていただけたらうれしいです! ▼言語化するための小説思考/小川哲 これを読む前に小川さんの「君のクイズ」読んでて、超面白かったし読みやすいしでいや~読んでよかった~って思ってたら、同作者の作品です!ってサジェストされて気になったのでこちらも読みました。(こちらは小説じゃないです) 私も一応趣味として小説らしきものを書く人間ですけど、他の「小説を書く人の小説の話」ってあんまり聞く機会なくないですか?プロの小説家は小説に対してこういう向き合い方をして日々を過ごしているのか…と非常に面白かった。 私も小説書き/小説読みの端くれとして「小説法(何を許せて、何を許せないか?人によって違いすぎる法律)」が厳しくなりがちだったり自分の価値観による作品の偏見・偏食が強い自覚があってよくないな~と思っていたんだけどこれを「小説法」とこの本で名づけられ、許せるかどうかはその違いだと割り切るという話や、「自分の価値観」を捨てる話にウワ~~~そうだよな~~~ってなったし、日常の中で「小説」を見つけるという話にウワ!良い!わかる!!ってなった。私は(自分がそれを活かせていないであろうへなちょこ書き手であることは一旦置いておいてほしいのだが)生活・人生すべて小説につながってると思っている小説おばけの自覚があるのだが、小川さんが自分を「小説ゾンビ」と自称していて最高によかった。「小説」を見つけてからの分析やそれを小説の形にする思考の流れもめちゃくちゃ面白かった。 「本気で小説を探そうとしているか?」←「小説ゾンビ」すぎて最高のフレーズ あと、小説を書くときに必要なのは「答え」じゃなくて「問い」だというのも目からウロコであると同時にめちゃくちゃ納得したな…。私、中学時代と大学時代になんか一次創作やってみたいと思ってまず「アイデア」や「設定」や「キャラ」から考えようとしたけど全然形にならなくて一本も書き上げられないまま諦めたことが何度もあるんですが、そこには「問い」がなかったからであると今更気づいて腑に落ちまくった…。 そして最後に付けられている短編小説はここまで語ってきたことの総集編のような小説になっており構成が上手い。この小説があることで、小説を書かない人にも「そういうことか」と思わせる力がさらに増しているのでは?と思ったり。面白かったな~。 ▼女の国会/新川帆立 好きなポッドキャストのひとつ「セイジドウラク」の中で紹介されていたのか、パーソナリティのひとりの澤田さんがエックスで呟いていたのを見たのか、とにもかくにもそんな経緯で知った本。ずっと気になってはいたのだがようやく読んで、ま~~~面白かった。 作中で語られた、1層目の「真実」とおぼしきものはかなり早い段階で予想していたんだけど、終盤で全部が繋がってひっくり返っていった瞬間「ウワ~~~!!!???」となって私は全然ミステリを解きながら読む才能がなさすぎて笑った。良い読者かもしれない。ミステリっておもしれ~~~~。 「女の国会」というタイトル通り、国会にまつわる4人の女を中心とした物語となっており、いやあ非常に国会・政治の「男社会」ぶりのエグみを小説で感じることができます。これだけでジェンダーバランスのありえないほどの悪さとか国会でのマイノリティ=女であるだけでここまで生きづらさを抱えることとか「女で、政治家である」だけで向けられる悪意やハラスメント(と呼ぶには酷すぎる数々)にウギ~~~~ってなるんですが、それだけじゃ終わらなかったところに膝を打ちました。これ以上はネタバレになるのでぜひ読んで確かめてほしいところですが、そこまで踏み込んで問題提起をするのがこの小説のすごさだなという…。 日本の政治変わってほしすぎという苦しさと怒りと最後に一握の希望を感じさせてくれる小説だったな。 この小説が出版されたときは確かに「日本にはこれまでたった一人も総理大臣になった女性はいなかった」。今は日本初の女性総理が誕生した、誕生した、けれども……。それは果たして、「女性総理」であることに意味は生まれたのか?「女性総理」が生まれたことで、この国はなにか良い方向に変わったのか?良い方向に変われなかったのなら、むしろ女性の生きづらさが増しているのなら、それはこれまでのどんな政治の負債が引き起こしたことなのか? 世間から少し遅れて読んだけれど、逆に今読むことでこの小説の味わいや考えさせられることもまた少し変わった気がするので、今読むのもかなりオススメかも。 #読書 畳む
▼春のほとりで/君嶋彼方
この本というより君嶋さんの本全部良すぎた。久しぶりに「好きな作家さん」と呼べる人に出会えたなと思います。
1作に絞ろうと思って「だから夜は明るい」とめちゃくちゃ迷ったけど、読み終わってえ~~!!!ってなってもう1度最初から読み返したくらい刺さった「春のほとりで」を今回は挙げようと思います。
(「だから夜は明るい」は男性同士のカップルを中心としたストーリーで、こちらもすげ~~よかったのでご興味あればぜひ…ラストがめちゃくちゃ好きです。あと「一番の恋人」もAroAceを正面から取り扱ったおそらくまだかなり珍しい作品で、途中かなり抉られるけどめちゃくちゃよかったです)
「春のほとりで」はある高校を舞台にした連作短編集で、私は高校生だったころはもう遠い昔になってしまったし「青春」という括りがあまり好きではないので(青春モノの作品自体が嫌とかじゃないし楽しく読むけど、若い=青春=良いもの、みたいな雑な解像度が好きじゃないなとそんな言葉がお世辞にも似合わない日々を送っていた高校生のころから思っていた)、どうかな~と思いながら手に取ったんですがいや~~~~そんな私にも刺さる、いやそんな私だから刺さる作品でした。詳しくは言えないからご興味あればぜひ読んで頂いてって感じなんですが。でも、結構苦しいいじめ描写も出てくるので、それに苦しくなってしまう方は少し注意かもしれない。(学校~!なんとかしろ~~!!と思いながら読んだ)
君嶋さんの作品、「恋愛するのが当然」「恋愛=男女」みたいな固定観念を感じないところが居心地が良いなと思うんですが、男女の友情の話や男子生徒に思いを寄せる男子が出てくるのも良かったし、私は創作する人間なので「真白のまぼろし」も好きでしたね…。
短編の中ではううう…となるところもあったりしたけど最後にア~~!!ってなって、いや~~こういうの大好きなんですよ…だから2回読んでしまった。よかったです。
▼青を抱く/一穂ミチ
かなり久しぶりに商業BL小説を読んだ。商業BL、ノルマ的に濡れ場がある印象があり(最近商業BL漫画を読んでると必ずしもそうでもないところはある気がしますが、大多数として)、それまで楽しく読んでたけど濡れ場は別になくてもいいんだけどな~という気持ちになっちゃって特に小説は最近ちょっと足が遠のいてしまっていた…。濡れ場も好きは好きなんだけど、作品によっては「ストーリーとして読んでるから、今それを求めてるわけじゃない」という気持ちになっちゃうときがあるっていうか…
いや~~でも、これも濡れ場はあったんだけど(そして「必ずしもなくてもいい」という気持ちはやはりあったけど)、そこで興が冷めるみたいなことはなく、それほど全体のストーリーがよかった。一穂さん、マジで小説が上手ぇ~~~~。BLじゃない一穂さんの作品もいくつか読んでるけど本当に小説が上手ぇ~~~~(「光のとこにいてね」とか「アフター・ユー」とか…)
一穂さん元々ジェンダー的な部分の意識というか、同性での恋愛についての差別とか今の日本における制度的な問題(同性婚が未だに認められていないこととか)の意識がある人だなあと一般商業の作品読んでても思ったけどBLジャンルでもそこから目を逸らさずに描いてくれることにちょっと驚いたしそういうところもこの作品が好きだなと思いました。
私はカップリングのヘキとして「恋愛より、相手より大切な譲れないものがある」という関係性が大好きで、逆に恋愛が世界のすべてみたいな描き方はちょっとnot for meかも~ってことも多いんですが(元々そうではない理性的な人がそれに溺れて身動きがとれなくなってしまうみたいなのは超好きだけど)、だからこそこの作品のふたりの関係が好きだなと思ったしこういう商業BLがあるんだってことが嬉しかったっていうか。どうしても大切なものがあって、それを大切にする相手ごと受け止める関係ってめちゃくちゃ良くて…。
BLという恋愛が主題のジャンルではあるけどもっと広く人間と人間の受容や救済の話っていうかぁ……(ろくろ)
とにかくめっちゃよかった!のでまた商業BL小説もいろいろ読んでみようかな~って気持ちになりました。おすすめあれば教えていただけたらうれしいです!
▼言語化するための小説思考/小川哲
これを読む前に小川さんの「君のクイズ」読んでて、超面白かったし読みやすいしでいや~読んでよかった~って思ってたら、同作者の作品です!ってサジェストされて気になったのでこちらも読みました。(こちらは小説じゃないです)
私も一応趣味として小説らしきものを書く人間ですけど、他の「小説を書く人の小説の話」ってあんまり聞く機会なくないですか?プロの小説家は小説に対してこういう向き合い方をして日々を過ごしているのか…と非常に面白かった。
私も小説書き/小説読みの端くれとして「小説法(何を許せて、何を許せないか?人によって違いすぎる法律)」が厳しくなりがちだったり自分の価値観による作品の偏見・偏食が強い自覚があってよくないな~と思っていたんだけどこれを「小説法」とこの本で名づけられ、許せるかどうかはその違いだと割り切るという話や、「自分の価値観」を捨てる話にウワ~~~そうだよな~~~ってなったし、日常の中で「小説」を見つけるという話にウワ!良い!わかる!!ってなった。私は(自分がそれを活かせていないであろうへなちょこ書き手であることは一旦置いておいてほしいのだが)生活・人生すべて小説につながってると思っている小説おばけの自覚があるのだが、小川さんが自分を「小説ゾンビ」と自称していて最高によかった。「小説」を見つけてからの分析やそれを小説の形にする思考の流れもめちゃくちゃ面白かった。
「本気で小説を探そうとしているか?」←「小説ゾンビ」すぎて最高のフレーズ
あと、小説を書くときに必要なのは「答え」じゃなくて「問い」だというのも目からウロコであると同時にめちゃくちゃ納得したな…。私、中学時代と大学時代になんか一次創作やってみたいと思ってまず「アイデア」や「設定」や「キャラ」から考えようとしたけど全然形にならなくて一本も書き上げられないまま諦めたことが何度もあるんですが、そこには「問い」がなかったからであると今更気づいて腑に落ちまくった…。
そして最後に付けられている短編小説はここまで語ってきたことの総集編のような小説になっており構成が上手い。この小説があることで、小説を書かない人にも「そういうことか」と思わせる力がさらに増しているのでは?と思ったり。面白かったな~。
▼女の国会/新川帆立
好きなポッドキャストのひとつ「セイジドウラク」の中で紹介されていたのか、パーソナリティのひとりの澤田さんがエックスで呟いていたのを見たのか、とにもかくにもそんな経緯で知った本。ずっと気になってはいたのだがようやく読んで、ま~~~面白かった。
作中で語られた、1層目の「真実」とおぼしきものはかなり早い段階で予想していたんだけど、終盤で全部が繋がってひっくり返っていった瞬間「ウワ~~~!!!???」となって私は全然ミステリを解きながら読む才能がなさすぎて笑った。良い読者かもしれない。ミステリっておもしれ~~~~。
「女の国会」というタイトル通り、国会にまつわる4人の女を中心とした物語となっており、いやあ非常に国会・政治の「男社会」ぶりのエグみを小説で感じることができます。これだけでジェンダーバランスのありえないほどの悪さとか国会でのマイノリティ=女であるだけでここまで生きづらさを抱えることとか「女で、政治家である」だけで向けられる悪意やハラスメント(と呼ぶには酷すぎる数々)にウギ~~~~ってなるんですが、それだけじゃ終わらなかったところに膝を打ちました。これ以上はネタバレになるのでぜひ読んで確かめてほしいところですが、そこまで踏み込んで問題提起をするのがこの小説のすごさだなという…。
日本の政治変わってほしすぎという苦しさと怒りと最後に一握の希望を感じさせてくれる小説だったな。
この小説が出版されたときは確かに「日本にはこれまでたった一人も総理大臣になった女性はいなかった」。今は日本初の女性総理が誕生した、誕生した、けれども……。それは果たして、「女性総理」であることに意味は生まれたのか?「女性総理」が生まれたことで、この国はなにか良い方向に変わったのか?良い方向に変われなかったのなら、むしろ女性の生きづらさが増しているのなら、それはこれまでのどんな政治の負債が引き起こしたことなのか?
世間から少し遅れて読んだけれど、逆に今読むことでこの小説の味わいや考えさせられることもまた少し変わった気がするので、今読むのもかなりオススメかも。 #読書 畳む