5/3迅太刀新刊「everyday, everything」のメイキングと言えるのかわからないようなメモ。
書いてるときに手元に置いてたメモ(紙)が残ってたので、折角なので記憶が新しめのうちにちょっと書き残してみよう~と思います。
※本をお持ちの方は読了後の閲覧推奨です~!
手元に置いてたメモ
まず書くとき手元に置いてたメモがこちら。(無料のスキャンアプリを使ったので左下にロゴが入ってますが気にせず)
メモまんまなのでお恥ずかしいですね…フフ…どっかぼかしかけようかとも思ったんですがまあいいかということでまんま公開です。ここまで読みに来てくださる方が万一いらっしゃったら既に結構な強者だと思っているので…。
ベースはiPad標準のメモアプリに書いたものをA4用紙に2in1で出力したもの(iPadからだと2in1印刷とかできないと思うんですがA4等倍だと情報量に対してデカいので、A4出力→プリンタ本体機能で2in1コピーというまどろっこしいことをしている)
普段の本でもよく感情導線のメモを作っているんですが(脳内だけだと見失うので…)、今回は短編連作なので感情の詳細な動きというよりはその話の時系列と視点、そこで書きたいもの、感情、関係性の地点を整理したかったので今回は話の概要+α程度に記載しました。その後、ペンで手書きで原稿中にいろいろ書き足してます。
左ページの真ん中が時系列、左が迅さん視点予定の話、右が太刀川さん視点予定の話を配置。枠外にも色々、その時点の感情とか、この本でこの話で何が書きたいのか?みたいな思考をメモしてます。
一番上の「迅太刀の食と生と性(生きること/生活すること)」っていうのがこの本の大テーマだったはずなんですが全年齢だったので性はそんなに…?むしろ印刷した後書き足した一番下の青文字「衝動の『恋』から能動の『愛』へ」のほうが最終的にテーマになっている気がする。ハハハ。そんなもんです。
本を見て頂いた方はお気づきかもしれないんですが、③(トースト)と④(月見うどん)の視点は最初は逆でした。最初は視点を交互にするつもりで、今でも視点的にはそのほうがおさまりよかったなと思うんですが、③(トースト)と⑤(アイス)を両方迅さん視点にすると恥ずかしがったり欲情したりする迅さんがちょっと被るな…とか初夜翌朝迅さん視点はwebでも書いたことあるなとか。あと④で迅さんが「どうしてこの人には甘えてみたくなるんだろう」って思ったりするところを書きたくなったからです。
体調悪い迅さんで迅さん視点っていうのもwebで前書いたことあるんですが、そっちは未来捏造で一緒に暮らしてるやつだし…そこはある程度描く感情の部分での違いは出せるかなあ~と思ってこっちに決めました。
あっあと完成版と違うところは季節も若干変えてますね!②③⑤⑧は話の性質上動かせない(原作でのランク戦復帰の少し後に付き合いだす、そこからあまり間あかずに初夜までとなると②③は冬になる)、⑥も書きたいのは冬の寒い夜と熱の話だったのでそれも動かせない。だけど秋と春の話が無いな…と季節の偏りが気になったので④を秋、⑦を春に変更しました。春は始まりの季節なので話のテーマ的にも合うかなーって。
最初の話を5月頃のイメージにしたのは、話の内容的にも(高校入学後以降、バチバチ期の最中)というところもあったんですが発行が5月なのでそこに季節を合わせた方が話に入りやすいかなっていう意識もありました。季節の話はできればその季節のうちに書いた方が生感のある描写になりますしね(実際書いてたのは3月ですが…)
右ページは出力した時点でほぼ余白だったので、書いてる途中で手書きで書き足したメモが主です。この本で書きたいものなんだったっけ!?って思い出そうとしたり、書く上での脳内整理のための設定・状況等のメモだったり。
ちょっとしたこぼれ話
ちなみになんですが、③(トースト)、⑥(肉まんピザまん)、⑧(玉狛で鍋)は元々個別の短編としてメモしていた話でした。
今回ごはん本短編連作を作ろうと思った時に、食べものの出てくる話手元にないかな~~って思い返したときにその3つがあって組み込めそうじゃん?!と思ったので今回の本で採用。結構前から脳内にぼんやりあったけど書くタイミングがなかなか来なかった話たちだったのでこの機に日の目を見られてよかったし、連作だからひとつの大きな話の筋の中に組み込むことで最初のメモ時点よりいろんな感情の背景を入れることができて嬉しかった~。
原稿期間
↑のメモを出力した日(iPad上の最終更新日)が2022/2/24。
そこから各話のtxtファイル(ポメラで書いてるので本文データは最初にtxtファイルでPCに入れてます)の最終更新日が、
①3/6、②3/7、③3/12、④3/19、⑤3/26、⑥3/27、⑦4/2、⑧4/3 でした。ここから校正したり本文以外のデータ作ったりして、印刷所さんに入稿したのが4/10。
書いてる途中で前の話に修正入れたりもたまにやるので日付が近かったりしますがまあだいたいこのくらいの原稿期間、1話あたり4000~8000字くらい?で計5万3千字ほど。
⑦と⑧は「この1本書き終わるまで帰れま10」を一人で開催してカフェを転々としながら追い込んでましたね…フフ…原稿期間にずっとやると金銭的に厳しいですが家だと捗らねえ!締切前だから追い込みたい!って時にはおすすめです。
原稿中のBGMとかの話
私は小説書いてる時もなにかしら曲を流してることがほとんどのタイプです。ほぼ邦楽。普通に歌詞のある曲でも流してます。
聴き慣れてない曲だと流石にそっちに意識が持っていかれるので流しながら文章は書きにくいんですが、聴き慣れてる曲なら流し聞きできるので聴き慣れた曲やアーティストさんを流します。日常的に作業用BGMが欲しい(無音は落ち着かない、集中が切れやすい)タイプなので…。音流して日常から薄い壁ひとつ作ることで日常の世界から意識をちょっと隔絶するというかスイッチするイメージですね。
今回は話が進んでいくごとに関係性や雰囲気も少し変化していったので、BGMも書いてる地点によって多少変えてたので覚えてる範囲で。イメソンというほどではないです(書いてるとき歌詞はそこまで意識してないので)
▽①(買い食いのコロッケ)~②(食堂のA級定食):aikoさん
特に曲やアルバムは決めずアーティストシャッフル。②はaikoさんだったかな…と若干曖昧なんですが①はaikoさんだったと思う。
aikoさんの曲って相手に恋してる、初々しかったり切なかったりでもきらきらしてたり、かわいい恋愛という曲が多いイメージなので、恋だね~~ってこちらがにまにましてしまうような二人とか、高校生のまだ付き合ってない、片思い(だと思ってる)迅→太刀書いてるときに聴くとかわいいな~~~!って思います。相手のことが好きで、すきで、自分ではもうどうしようもできなくなっている、みたいな…感情…かわいいね…。
さすがに書きながらだと歌詞はそこまで意識できてないので作業中は音を拾ってる感じなんですが、音がきらきらしてるところが恋だな~かわいいな~って思うんですよね。
▽③(トースト)~⑥(肉まんピザまん):Official髭男dism「ラブとピースは君の中」
ラブとピースは君の中、ってフレーズめっちゃ良い…ハッピーエンドの味がする…迅太刀だ…(ガバ判定)
特に③のイメージですね。付き合い始めてから、ラブ要素強め、初々しさもあってでも何よりきらきらしててハッピー!って感じのサウンドが多くてよい、SWEET TWEETのイントロとかめっちゃかわいい…。ラブソングが詰まったアルバムなのでアルバム全体リピートで作業中のBGMにしてました。
▽⑦(ラーメン)~⑧(鍋):天野月子さん
この2本は主に出先で書いたのでSpotifyではなく手持ちのiPodで聴いてました。なのでイメージというより聴き慣れてて音が好きな(聴きやすい)曲でiPodに入れてる曲、というセレクト。
というわけなのであまりイメージがどうこうという話はないんですが、聴くときはだいたいHONEY?を最初に聴いてシャッフルにしてたかな~。HONEY?はかわいくてかっこよくて甘さのあるよいラブソング。好きです。
▽作業中に聴いていた曲ではないけど個人的にイメージソング…というほどではないがなんとなくイメージしてた曲
・プロット立ててた時に思い浮かんだ曲:スピッツ「大好物」/日食なつこ「ハッカシロップ」
「大好物」は何食べの影響ですね。わかりやすい。ごはん本だし…。何食べ、ちゃんと見たのは映画くらいなんですが、すっごいかわいくてラストシーンからの主題歌の「大好物」が流れてくる瞬間が最高。こういうボーイズと生活とラブ、好きだ…ってなって、そういうお話書きたい~っていうのが一番最初のイメージでした。
ハッカシロップは前にもツイートした迅太刀の個人的イメソンです。ああいう距離感の迅太刀が、好きで…。
・「最終的にこういう二人が書きたいんだな!」って原稿期間中に聴いてハッとなった曲:SMAP「Simple」
これはちょっと未来パート(⑦~⑧)の部分ですね。「出会いのトキメキは安らぎというキラメキに育ってゆくはずだから」などの歌詞に、ワ、ワーーー!これです!!!!ってなりました。
最初は恋という「トキメキ」なんですけど、年月を重ねていくうちに愛という「安らぎ」や「キラメキ」に変わっていく、多分私は過去~現在~未来の迅太刀を書く中でそういうものを書きたくて。恋が愛に変わっていく、その性質は少し変化するかもしれないけど優劣じゃなくて、どっちだって本人たちにとって相変わらず大切で重要できらきらしてるものなんだっていうことを多分…私は書きたくて未来の迅太刀を書くのが好きなんですよね…。
「遅くなった帰り道 コンビニで二本ビールを買って」って歌詞もほんと愛しくて!そんな未来の迅太刀がいたらかわいいよ~~って思うんですけど今回の本には入れられなかったなあ。いつかそんな迅太刀も書きたいな~。ふたりの生活をちょっとしたところでも楽しんでるような未来の迅太刀が好き…何万回でも見たい…ささやかなところで垣間見える愛や好意がたまらなく好きなのです。
「一瞬を重ねた永遠」というフレーズも良いですよね。この本を書きながら「永遠」ってなにか、っていうことをすごい…考え込んだ時があったんですけど…いや永遠とは何たるか、はだいたいいつも考えているな…。この話し出すとさらに重く長くなってしまうので現時点での私の結論を簡単に言うと、永遠が存在するとすれば「(互いが)絶え間なく選択し続けること、それでしか達成し得ないもの」かなあと思っています。つまり「一瞬を重ねた永遠」なのかな~。
SMAPはサブスク解禁してないので聴くのにちょっとハードルあるかもですがすごくいい曲なので、機会があればぜひ聴いてほしい曲のひとつです。っていうか歌詞だけでも、多分私が書く迅太刀を読んで頂いてる方だと「あぁ…(納得)」ってなると思う…笑
装丁の話
装丁の話はこっちでだいたいしてるのでこちらご参照ください!
すっごい長くなったのでとりあえずこのへんで!!!具体的な各話の内容というより作業の時のガワと抽象的な思考の話ばかりになって果たしてこれは…メイキングなのか…?と思いつつ、まあ中身の話は本文で伝わっていたらいいなあという気持ちです。
記憶が新鮮なうちに書き残しとこ~!って感じのメモでした!